2016年12月17日

塩田武士『罪の声』・西加奈子『まく子』・桐野夏生『バラカ』などなど

今年はなかなかのめり込むような本に巡り会わなかった。

現場が宇都宮で始まったので、久々1時間の電車通勤になった。

とはいえ、東京と違い毎日座れるので、読書量が少し増えた。


まずは、本屋さんで見つけた週刊文春2016ミステリー第1位のこの本。

塩田武士『罪の声』。11万部?

帯によると30年前の『グリコ森永事件』をモデルにしたミステリーとか。

グリコ森永と言えば、グリコの社長が誘拐されたけど、生きて開放されたし、

大阪弁の脅し文句がちょっとふざけた事件くらいにしか小学生の自分は覚えていない。

あまり凄い犯罪という印象はなかったけど、凄い事件だったことが分かった。

若い人なんかは全く知らないだろうなぁ?


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移動時間はワープ状態

作品は30年前の犯罪を、当時の関係者をたよりに新聞記者が解明していくお話。

確かに、読み始めると止まらなかった。

とはいえ、主人公はあくまで客観的に事件を追い詰めていくのでどこか人ごとで

熱い思いが伝わってこなかった点のみ、ちょっと残念なところだった。

よく調べて構成してある、作者が渾身をかけて書いたミステリーだった。


ちょっと言えば、優等生的なミステリー。面白かったには違いないけど、

読んでて主人公に憑依するような感覚は残念ながら無かった。

(たとえば、『ミレニアム』,西加奈子『サラバ』,篠田節子『インド・クリスタル』などなど)

ネットの評にもあったが、昨年売れた『64』とよく似た構成、読み応えだった。

64の主人公も被害者ではなく、警察官でどこか仕事と割り切っている感じ?


西加奈子の『まく子』は、読書芸人何たらで推薦していた本。

ちょっと期待した分、損した感じ。おとぎ話のたぐい?

も少し言えば、『サラバ』も後半戦でのめり込んでしまうのだが、

この『まく子』の後半戦、まく子2が単なるエピソードになってるのが残念。

何を伝えたかったのか、全く分からない。


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よく分からないファンタジー?

大好きな桐野夏生大先生の『バラカ』、読ませる。さすが大先生!

大震災で福島の4つの原発が爆発してしまった後の日本を描く。

前半戦、バカラが日本で見つかるまでは凄い熱量で引き込まれる。

いつも通りと言っては何だが、後半戦、リアルだけど、

お話のスケールが縮んでとても残念。

悪魔川島がどっちつかずで、最初の熱量が続かなかったのが原因か?

でも、さすが大先生最後まで一気に読ませてくれる。


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いつもの展開だけど、一気読み
あぁ〜、どこかにないか、憑依本!?
posted by リンケン at 20:12| Comment(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする